各種レーザーを用いてアスベストの溶融・ガラス化法の検討から、CO_2レーザーによるパルス波が効果的であったことから、照射条件を変化させてスレートの溶融状況を検討した。 前年度、レーザー光の照射によって形成される溝の幅、すなわちレーザー光が照射された部位の周辺に加わるレーザー光の照射エネルギー量は、照射出力、一定区間(1インチ)あたりの照射回数および照射口の移動速度の影響を大きく受けた。 照射出力が大きいほど、照射口移動速度が遅いほど、レーザー光が照射された部位の周辺に加わるレーザー照射エネルギーによる溶融は進が、一定距離あたりの照射回数には実験範囲内で差がなかった。これは、レーザーの照射口径と移動速度の関係で、レーザー照射面が連続したことによると思われた。また、レーザー光の照射によって形成される溝の深さ、レーザー光の照射エネルギー量は、照射出力、照射口移動速度、一定区間の照射回数で制御できることから、スレート面に1×1cm^2の正方形を2個描いて、分解実験を行い、重量減少、照射面上の残存物、溶融物の観察を行った。また、6mmスレートの半分にあたる3mmの分解を行い、分解物のTEM観察、SEM-EDS観察を行ったが、溶融部からアスベストは認められなかった。
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