研究概要 |
(1)ラジカルを積極的に用いるRPE-MOCVD法成長ウルツ鉱Zn(Cd,Mg)O系薄膜のc軸長など結晶構造と混晶組成のゆらぎの実験的、理論的解析を行なった。Mg組成25%からCd組成60%まで組成制御を可能とし、バンドギャップエネルギーでは3.7-1.9eVの範囲、即ちUVから可視全域に対応する。室温でのストークスシフトと低温での時間分解PLから求めた発光寿命のエネルギー分散から求めたゆらぎEoは約組成0.2で最大値をとることが解った。この系統的な実験結果とエキシトンモデルでの解釈をまとめ、J.Crystal Growthに投稿し、高い評価を受け投稿から10日で、acceptされた。ZnO系光電子デバイスを実現する為、基本となるショットキー・フォトダイオード作製プロセスの検討を行なった。a面サファイア上に成長した(Mg)ZnOを用いてフォトマスク5枚でリフトオフプロセスの確立とAu,Ptのバリアハイトを算出出来た。今後のZnOワイヤ系材料を用いたenergy harvestingデバイスへの展開の基礎固めが出来た。 (2)今期は、MgZnO:Cu成長の検討を行ない、昨年度検討したZnO:Cuと比較を行なった。MgZnO系でもCuをドーピング/混晶化することで、ブルーシフトし、抵抗率も増加の傾向が見られた。またMg組成を増加させ、10%程度でp-likeの特性を示した。37th ISCSで発表予定である。
|