研究概要 |
内径0.73nmの一次元細孔を有する多孔性結晶AlPO_4-5では100μm程度の単結晶を我々は育成する技術を有する。この単結晶をマトリックスとして利用し半導体量子細線を互いに平行かつ高密度に安定化させ,その異方的電子状態を顕微分光技術を駆使し近赤〜紫外スペクトル及び軟X線光電子スペクトルの測定を最終目標としている。これを達成するため,本年度は主として下記の点に注力して,研究を進めた。 1.高品質AlPO_4-5単結晶合成条件の探索 結晶表面が平滑かつアモルファスの付着が少ない単結晶の合成条件を絞り込んだ。また,結晶の高収率・大量合成法を確立した。 2.AlPO_4-5及びSe内包AlPO_4-5粉末結晶の粉末X線回折法(XRD)による結晶性評価 細孔へのSe原子最大導入量を確定すると共に,AlPO_4-5の結晶性とSe導入時の加熱温度の相関を測定し,最適なSe量子細線形成条件を検討した。 3.高空間分解能・多機能近赤〜紫外顕微分光装置の立ち上げ 顕微分光装置に必要な光学デバイス及び部材の設計と試作を行い,透過・反射スペクトルの測定に目処をつけた。
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