研究課題/領域番号 |
20310071
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高村 禅 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (20290877)
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研究分担者 |
本水 昌二 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (50032826)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / マイクロプラズマ / 環境分析 / 分析化学 / 液体電極プラズマ / 元素分析 / 発光分析 / microTAS |
研究概要 |
閉じ込め式液体電極プラズマによる発光分析について工学的・学術的見地に立ったシステマティックな研究を行い、プラズマの素過程を明らかにするとともに、高感度化、高精度化、サンプルの微量化を促進する。本年度に得られた結果を列挙する。 (1)プラズマの短時間分光診断とモデリング。プラズマの発生挙動に直接かかわる内部パラメータを、外部よりコントロールするには、流路の形状、大きさなど外部パラメータを変化させるしかない。よって、まずこの外部パラメータと内部パラメータの関係を定式化する。本年度は外部パラメータとして、流路の大きさ、印加電圧、印加時間、酸濃度、酸の種類を変化させ、内部パラメータとして、鉄の励起温度を調べ、同時に元素ごとの感度や精度との対応を試みている。その結果、流路の大きさとプラズマ温度は関係が強く、印加電圧、酸濃度とプラズマ温度はそれほど強くないことが分かった。しかし、元素ごとの感度に関しては、励起温度で説明がつくものと、そうでないものが見つかり、他の要素の寄与が示唆された。短時間分光では、Naのように比較的早くから発光するものと、Pbの様に遅くに発光するもの、およびノイズ成分の分離が捉えられた。更なる時間分解能の改良を行っている。 (2)外部パラメータの最適化による高感度・高精度化。上記の知見のうち、特に印加時間と酸濃度の成果から、従来よりも精度が3倍よくなる条件が見つかった。 (3)本法に最適な前処理法・サンプル調整法の研究。本法を実際に利用するための、本法に特徴を活かした前処理の方法・測定条件など、利用する側の知見も研究していく。本年度は土壌や水質の測定用に、従来よりも短時間で前処理が可能な方法を検討し、ある程度の有効性が証明された。また、固相抽出を自動化し、性能の向上と安定化を測っている。プロトタイプ機での動作を確認した。
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