研究課題
閉じ込め式液体電極プラズマによる発光分析について工学的・学術的見地に立ったシステマティックな研究を行い、プラズマの素過程を明らかにするとともに、高感度化、高精度化、サンプルの微量化を促進する。本年度に得られた主な結果を列挙する。1.プラズマの解明と、その最適化による高感度、高精度化:本年度は、プラズマの発生初期での、発光と電流変化についてより詳細に解析した。また流路の長さや、幅の影響を、周囲温度の影響を調べた。周囲温度の変化は、電流値の変化をもたらし、発光に影響することが分かった。内部パラメータとしてプラズマの励起温度の測定は、電圧、酸濃度、流路形状を変化させて計測し、論文発表した。本年度は、新しい試みとして、様々なサイズのナノ粒子を導入し、発光量を計測した。その結果、元素によっては、良く光り、ナノ粒子も原子化し発光させる強度があることが分かった。また、流路の材質と形状が、発光に及ぼす効果も精査され、論文発表を行った。これらの知見により、検出限界、及び精度は向上し、例えばCdにて0.5ppb程度の検出限界が得られた。2.本法に最適な前処理法・サンプル調整法の研究:イオン会合体を用いた前処理法は、昨年に引き続き詳細にデータをとって、論文として投稿した。また、メッキ液用の前処理法を検討し、CV数%で測定できる目途が立った。前処理と発光部を直接接続し自動化する際には、発光部への導入形状が重要であることが分かった。3.前処理を一体化した統合化チップの開発マイクロTAS技術と融合させ、固相抽出による濃縮を一つのチップに一体化した統合化チップの開発を行った。鉛の測定を例に、濃縮、抽出、検出の動作を確認した。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件) 備考 (2件)
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