研究課題/領域番号 |
20310076
|
研究機関 | 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所 |
研究代表者 |
古川 一暁 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 機能物質科学研究部, 主任研究員 (40393748)
|
研究分担者 |
樫村 吉晃 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 機能物質科学研究部, 研究主任 (90393751)
|
キーワード | 人工細胞膜 / 脂質二分子膜 / 支持膜 / 動的分子操作 / バイオインターフェース / 単一分子 / 分子ゲート |
研究概要 |
本課題の最終年度にあたる平成22年度においては、以下の成果が得られた。 1. 外部電場による脂質二分子膜の自発展開制御 ナノギャップ電極間への直流電圧印可のオンオフにより、自発展開の停止・開始の制御ができることを明らかにした。ナノギャップ間隔と電解質溶液濃度を変化させて行なった詳細な実験により、電気二重層がナノギャップ電極間を満たす条件下で、自発展開制御が可能なことを証明した。この制御はナノギャップ間での有効な電場形成が脂質分子を捕捉することに起因し、ナノギャップが「分子ゲート」として機能していると結論した。自発展開の停止・開始の制御は、電圧のオンオフに敏感に反応し、本研究課題の目標である「動的な分子操作」技術を開発することに成功した。 2. 脂質の自発展開法を用いた人工細胞膜マイクロアレイの作製と評価 本研究の特徴のひとつである、固体表面に作製したパターンによる自発展開の位置制御技術を利用して、人工細胞膜マイクロアレイの作製を行った。10μm幅の組成の異なる人工細胞膜を5μmのインターバルをおいて9列配列した構造の作製に成功した。この手法は、従来法に比べて10^2倍以上集積度をあげられることを実証した。この手法を用いて一部にビオチンを含む人工細胞膜アレイを作製し、ストレプトアビジンとの選択的結合を用いたバイオセンシングの検証を行なった。その結果、本研究のマイクロアレイが、高いS/N比で生体分子の選択的検出に利用できることを実証した。
|