研究課題/領域番号 |
20310079
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
丸山 耕一 秋田工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (90302934)
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研究分担者 |
上林 一彦 秋田工業高等専門学校, 自然科学系, 講師 (00455106)
山口 仁志 物質・材料研究機構・材料信頼性萌芽ラボ, 基盤研究グループ, 主任研究員 (10370313)
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キーワード | 圧電性誘電体 / 磁歪性磁性体 / 磁気光学効果 / X線共鳴磁気散乱 / 周期構造性磁性体 / 磁気メモリ / 情報伝達 / 電気化学計測 |
研究概要 |
秋田高専に構築した磁場印加型と電場印加型の2種類の反射光学計測系を用いて、NbLiO_3ウエ基板およびに同基板上に磁性体薄膜をゾル-ゲル法で作製した試料に、電場や磁場を印加した際の反射率ならびに旋光角の変化を計測した。これらの物理量には、入射偏光、磁場や電場の印加方向、入射角に依存した電気光学効果と磁気光学効果との寄与が重畳し、区別することは容易でないことが分かった。 産業総合技術研究所(つくば市)のNPF実験施設にある、超高真空スパッタ成膜装置により、Siウエハ基板上にNbLiO_3層を形成の製膜条件を精査し、この膜の光学特性を明らかにするとともに、GdCo_2磁歪層との多層膜作成の準備を行った。 誘電層と磁歪層の2層膜、あるいは、誘電基板の表面層にアレイ状に磁性ナノ構造を埋め込んだ形状の試料における力学特性を、有限要素法による解析を行った。誘電層に電場を印加した場合あるいは、磁性ナノ構造近傍に導電性探針から電場を印加した場合の誘電ひずみを解析し、これに接する異種材料の界面に誘起される応力の分布を明らかにした。 反射光学計測系を短パルスレーザーを用いた時間分解計測システムへ拡張する準備を開始し、ディレイ回路による方法で、誘電層を薄くしたスパッタ膜での計測を開始している。これにより、主に磁気光学効果だけを検出でき、スピン配列の時間分解挙動を検討できる可能性が示された。また、電気化学的なCV(分極曲線)計測およびやQCM(水晶振動微小質量)計測を行うシステムを構築し、溶液中で、金属イオンから酸化物合成の予備的な実験を行った。この実験で得られた知見をもとに、EC-STMの探針を電極とした磁性酸化物のナノ構造の制御を検討中である。
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