研究分担者 |
工藤 博幸 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (60221933)
山本 幹雄 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (40210562)
河辺 徹 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (40224844)
吉瀬 章子 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (50234472)
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研究概要 |
混合整数計画問題を等価な連続最適化問題に再定式化すると,凸多面体上での凹関数最小化問題に帰着する.この非凸最適化問題の大域的最適解を求めるアルゴリズムとして単体分枝限定法が1976年にHorstによって提案されている.実行可能集合を単体で分割し,分割単体上で凹目的関数の1次近似の最小化を繰り返すこのアルゴリズムは,ω分割とよばれる単体分割規則を用いた場合,経験的には計算効率が向上するものの,理論的な収束性は2000年にLocatelliとRaberが証明するまでは不明であった. 本年度の研究では,主にω分割規則にもとづく単体分枝限定法の収束性証明に取り組みLocatelliとRaberとは異なる,より単純で拡張性のある証明を与えることに成功した.単体分枝限定法は,分割規則が非退化分割過程とよばれる条件を満たせば収束することが知られている.証明は,この条件を満足するように単体上での1次近似関数の最小化条件を若干修正することで実現した.この修正の結果,ω分割を一般化した分割規則でも単体分枝限定法の収束は保証され,アルゴリズムの実用性はさらに向上するものと思われる.それを確認するための計算機実験の実施に向けて現在,研究を継続している. また,情報技術への応用として統計的機械翻訳の句配列問題を整数計画問題として定式化した.これを連続化することにより,収束性の保証された単体分枝限定法の適用が可能となる.また,組込みシステムへの応用が期待されるロバスト制御問題に対し,マクスミニ最適化問題を繰り返し解く制御手法を考察した.この最適化問題は近似的に処理しているが,次年度以降,厳密な処理を行い,制御精度を高める予定である.
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