研究概要 |
近年,東アジア諸国は飛躍的な経済発展を遂げ,世界経済の中でも強い影響力を持つ地域に成長した.今後は,中国の経済的な台頭や自由貿易協定の締結などの経済統合化などの動きがさらに加速するものと予想され,アジア経済圏の様々な成長シナリオを比較・検討したうえで,我が国やアジア諸国の発展の方向性を議論する必要がある.また,今後のアジア地域の経済発展戦略を考察する上で,より効率的な国際交通インフラネットワークを整備・再構築し,我が国およびアジア圏の経済活動を支える国際交通の円滑な流動を実現することが重要であることはいうまでもなく,アジア経済の発展シナリオと国際交通インフラネットワークの構築を相互に関連付けた検討を行うことが今後の重要課題となる.以上の背景に基づき,これまで研究代表者・分担者が蓄積してきた研究成果をベースに,交付期間内の研究目的を以下とする (1)統合型国際経済・交通政策評価モデルの完成にあたって必要となる以下の個別課題の解決 (1)デルファイ法等を活用した検討シナリオの精緻化・深度化 (2)貿易サブモデルおよび貨物流動サブモデルの特性を考慮した品目分類の検討 (3)輸送機関分担を内包し,国際RORO船・フェリーを考慮した貨物流動モデルの取り込み (4)貿易サブモデルにおける交通条件の改善に伴う貨物需要創出効果の表現 (5)モデルの動学化に向けた検討 (2)アジア共通交通政策立案に向けた個別プロジェクトの定量的評価と国際交通ネットワーク構築の支援 (1)定量的評価に向けたモデル対象範囲の細分化および拡張 (2)検討対象プロジェクトに関する詳細情報の収集 (3)総合型評価モデルを活用した個別プロジェクトの定量的評価 (4)(3)に基づく国際交通ネットワーク戦略およびアジア共通交通政策の立案支援
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