| 研究概要 |
平成23年度は,本研究の最終年度であり,前年度までに得られた結果をさらにブラッシュアップしたうえで,被験者を用いた実験および計算機実験による検証を行い,特許ライセンスの制度モデルを構築し,そのパフォーマンスを確認した。研究成果は以下の通りである。
(1)平成20,21,22年度の研究から得られた新技術の生産およびライセンスのモデルをもとに,協力ゲームおよびその解の1つである間接安定集合の考えを用いて,「アンチコモンズの悲劇」を回避しうるような新技術の生産およびライセンスの制度モデルを構築した。特に,平成23年2月28日-3月2日に東京工業大学において開催した国際会議における世界各国からの参加者との議論に基づき,特許ライセンスに関する新たな視点をモデルに取り入れ,モデルの大幅な改善を行った。
(2)(1)で構築したモデルのパフォーマンスを,被験者を用いた実験および計算機実験により検証した。実験を繰り返し行い,その結果をモデルに丹念にフィードバックすることにより,特に,「特許の藪」そして「アンチコモンズの悲劇」の問題の解決を中心にモデルの精緻化を行った。
(3)以上の結果を,研究代表者,研究分担者,そして大学院学生など研究協力者それぞれが,自らの所属する国内外の学会で積極的に発表して本研究の成果をアナウンスするとともに,出席者との議論を通して,残された問題点を明らかにし,今後の研究の発展の方向性を探った。
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