研究課題
本年度の成果を,対象としている四つの活用経路ごとに,以下にまとめる:1. 「製造現場に関する暗黙知」の「システム運用上の意思決定」への反映:本経路では,昨年度までに,生産システム運用上の典型的な意思決定問題の一つである「最短経路問題」に対する予測市場を用いた解法アプローチとそのためのマーケットメーカのアルゴリズムを開発してきた.本年度は,現実的な問題を対象とした被験者実験を実施し,提案アプローチの性能評価をさらに進展させた.2. 「製造現場に関する暗黙知」の「システム変革上の意思決定」への反映:本経路では,制度設計の検討に先立って,改善・革新に関する知識創造がどのようになされるのかについての理解が必要であるとの認識から,組織的知識創造プロセスの観察実験とモデル化を進めてきた.本年度も,昨年度に引き続き,いくつかの題材を対象として,プロトコル分析をさらに進めた.3. 「市場環境に関する暗黙知」の「システム運用上の意思決定」への反映:本経路では,昨年度までは,需要予測を対象として,そのための予測市場システムを開発してきた.それについてはある程度目処が立ったので,本年度は,対象を商品企画のためのコンジョイント分析にまで広げ,市場の暗黙的な嗜好を集めるための新たな予測市場システムのプロトタイプ開発を行った.4. 「市場環境に関する暗黙知」の「システム変革上の意思決定」への反映:本経路では,互いに異なる暗黙的な知識を所持した複数人が集まり,議論を交わすことによって行う集団意思決定の分析と支援ツールの開発を進めてきた.今年度はそうした集団意思決定の具体的な一例として,プロジェクトのリスク対策を取り上げ,事前にリスクを網羅的に洗い出すことを支援するための発散的デルファイ法を提案した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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人工知能学会論文誌
巻: Vol.27, No.6 ページ: 328-337
http://dx.doi.org/10.1527/tjsai.27.328
http://www.collective-knowledge.net/b20310087/