研究課題
日本のソフトウェア産業、特にエンタプライズ系のソフトウェア・エンジニアリングの実践力を測定する尺度(SE度)、および経営力、経営環境の関係性分析を継続した。特に、競争環境の脅威や資源ベース戦略論の観点から、メーカ系、ユーザ系、独立系の性格の違いについて統計的方法を用いて分析した。経年比較については、基礎調査(2005~2007年度)に回答したのべ151社を抽出し、SE度に関するパネル分析を行った。分析の結果、SE度を構成する要素の内、人材育成力、プロジェクト管理力、品質管理力が、顧客接点力、開発技術力、プロセス改善力、アウトプット力に影響を与えるといった、各年度のデータを用いて確認されている因果構造が、3年分のデータを同時に用いたパネル分析の場合にも概ね再現した。加えて、2005年度の人材育成力から2006年度の人材育成力への影響等、同じ因子間の影響が過去から受け継がれる傾向も確認された。国際比較については、インドNASSCOMでの招待講演および最大手IT企業の経営者との会議、米国での研究打合せ等を通じて海外のソフトウェア産業の調査を開始した。ソフトウェア・エンジニアリングの能力を分析するためには各国のソフトウェアの産業構造にさかのぼって検討することが重要であるため継続的に調査分析していく。横幹連合での講演や論文では、これまでに行った社会調査(IT経営度調査とSE度調査)の結果・経過について産学の有識者と議論しながら、これからの社会調査や経営シミュレータのあり方について設計科学の視点から展望した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)
横幹 Vol.4 No.1
ページ: 20-26
13^<th> Pacific Asia Conference on Information Systems in Hyderabad, India.PACIS 2009 Proceedings.Paper 117 13