1.被災地周辺情報自動抽出処理部の構築:平常時において収集され統合された情報と災害時に得られた情報とを照合比較することにより、被災地周辺情報を自動抽出するシステム部位を構築した。具体的には、山間部や都市部の災害前後に撮影された衛星画像と航空画像を用い、それぞれの画像内でエッジ情報や色情報が変化している領域を自動的に抽出する部位を計算機上に構築した。なお、画像の撮影位置や時刻によらず高速に高精度に自動抽出するため、画像間での輝度や形状の時間・空間差分情報だけでなく、すでに統合されているGIS上の街区情報や道路情報も利用した。 2.自動連携解析処理部の構築:個別に抽出された被災地周辺情報(変化領域)を連携解析し、救助活動に必要となる種々の情報を生成する部位を構築した。具体的には、山間部においては、植生領域、土砂崩れ領域、及び浸水領域などを、都市部においては、建物倒壊領域、道路閉塞領域、及び渋滞領域などを段階的に抽出する手法を考案し実装した。特に、道路閉塞領域の抽出においては、先に抽出された変化領域のみならず、その周辺領域間の隣接関係や包含関係について解析することで、変化領域が通行可能な領域か、そうでないかの正確な判定を実現した。 3.最適撮影手法検討:災害時に被災地情報を効率良く習得するための最適な空撮画像撮影方法を検討した。センサー特性、撮影範囲、画像の解像度、撮影時間、及び入手時間の状況を考慮して検討したが、衛星画像や航空画像それぞれに利害得失があり、地上情報との効率良い統合が必要との結論に達した。
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