研究課題/領域番号 |
20310096
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
戸田 圭一 京都大学, 防災研究所, 教授 (70273521)
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研究分担者 |
石垣 泰輔 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (70144392)
宇野 伸宏 京都大学, 大学院・経営管理研究部, 准教授 (80232883)
米山 望 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90371492)
川池 健司 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10346934)
馬場 康之 京都大学, 防災研究所, 助教 (30283675)
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キーワード | 都市水害 / 地下浸水 / 水害対策 / 豪雨 / 内水氾濫 / 交通障害 / 避難 / 体験実験 |
研究概要 |
本年度の主要な研究成果は以下のとおりである。 1) 地上の2次元平面氾濫解析モデルと貯留槽をもとにした地下浸水モデルを統合した都市水害モデルを構築し、神戸市中心部の三宮地区に適用した。短時間豪雨による内水氾濫時に地下街が浸水する危険性が明らかとなった。また地下室、オフィスビルの地下空間、地下街といった様々なスケールを有する地下空間の浸水時の危険性を比較したところ、空間スケールが小さくなるにつれてに避難の困難さが増大すること、2層構造の地下空間の下層部分がとくに危険であることが知られた。対策として地下入口の止水板や段差の設置が重要である。 2) 実物大の地下階段と通路模型を用いて高齢者の浸水時の避難限界を明らかにする実験を行った。被験者の身体に特殊な器具を装着して高齢者を模した状況で実験をしたところ、避難の限界値が一般の成人の値に比べて相当低下した。また浸水した車からの脱出実験を実施したところ、車内に水が流入しないとの条件下で、地上の水深約80cmが成人の脱出限界であるという知見が得られた。浸水したアンダーパスに対しては、バリケードやカーテンによる侵入防止対策が必要である。 3) 都市域の内水氾濫解析結果を援用して、氾濫で道路が冠水している状態での交通量解析を実施した。交通容量や車両の走行速度の変化を水深の関数で表現し、非浸水時のときと混雑度や地点間の所要時間を比較することにより、内水氾濫時の障害の程度を検討した。京都市内を対象とした解析では、市中が氾濫した場合に南北交通の障害が大きく現れることが明らかとなった。
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