研究課題/領域番号 |
20310102
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
都司 嘉宣 東京大学, 地震研究所, 准教授 (30183479)
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研究分担者 |
佐藤 孝之 東京大学, 史料編纂所, 教授 (30170757)
中西 一郎 京都大学, 理系大学院, 教授 (10164229)
草野 顕之 大谷大学, 文学部, 教授 (20177984)
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キーワード | 歴史地震 / 東海地震 / 南海地震 / アスペリティー / 元禄南関東地震 / 大都市の地震災害 / 生駒断層 / 河川閉塞 |
研究概要 |
南海沖のフレート境界面のすべりによって起さた、宝氷地震(1854)、安政東海地震(1854)、安政南海地震(1854)、および相模トラフのプレート境界面のすべりによって生じたと考えられる元禄南関東地震(1703)について、新たに舌文書史料が多数発掘きれ、既知史料の知識とあわせて、三都道府県別の詳細震度・津波被害データベースを作成した。元禄地震による伊豆半島東岸の伊東市で、標高17mmの所まで海水が及んでいたことが新たに判明し、津波の数値計算を行う石結果、元禄地震め駿河湾内の滑り分布は、西半分ですべり量の大きなアスペリティーがないと説明できないことが明らかとなった。 分担者のうち中西、および草野は、京都・大阪での近世の都市を襲った災害事象としてこの2つの大都市の街区の詳細震度を明らかにした。 首都圏を襲った歴史地震のうち、文化9年(1812)に神奈川地震と呼ぶべき、大きな内陸地震があったことが明らかとなり、現在の横浜市の中心部で、震度6強から7に達する強い揺れが起きていたことが明らかとなった。 天阪府交野市の山間部に存在した、小松寺という寺院に由来する平安時代の記録が発掘され、生駒断層の活動によると見られる地震が2,3度あったこと、およびそれらが、南海地震と前後する年代に起きていることが解明された。 江戸時代に起きた宝永地震(1707)および安政東海地震(1854-la)、および安政南海地震(1854-b)による、山岳地域の斜面崩壊と、一それに伴う河川閉塞・新湖出現事例が10件程度見つけられた。東海地震・南海地震など海溝型地震の災害発生の形態の一つとして注目すべきである。
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