研究分担者 |
為栗 健 京都大学, 防災研究所, 助教 (70335222)
八木原 寛 鹿児島大学, 理学部, 助教 (60295235)
嶋野 岳人 富士常葉大学, 環境防災研究科, 准教授 (70396894)
綿田 辰吾 東京大学, 地震研究所, 助教 (30301112)
及川 純 東京大学, 地震研究所, 助教 (40262084)
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研究概要 |
桜島,諏訪之瀬島およびスメル火山を対象に,地震,地盤変動,空気振動,火山灰の総合的な観測からそれぞれのパラメータに対応する爆発規模の指標を決定し,パラメータ同志の相互関係を検討し,これらのパラメータを結合した複合的なリアルタイム爆発規模指標を新たに提案することを目的とした研究を実施した.平成20年度は諏訪之瀬島の爆発回数が少なかったことと,スメル火山では噴石により観測機器が破壊されたため,4月から7月にかけて昭和火口において断続的に噴火を繰り返した桜島火山に集中して観測を行った.爆発に伴う地震動の最大振幅は11μm/sと以下,空気振動の振幅は46Pa以下であった.両者の間には正の相関が認められた.一方,爆発に伴い火口方向の地盤の沈降を示す傾斜変化と地盤の収縮が検知されるが,歪変化において60ナノストレイン以下であった.地盤変動と地震動・空気振動の間には全く,相関がみられなかった.一方,地盤変動量と火山灰の放出量の間には弱い正の相関が認められ,地盤変動が大きい時は火山灰放出量も大きいことがわかった.爆発的噴火の後,地盤変動速度は徐々に低下し,長くても1時間後に停止した.しかし,その後も火山灰が連続的に放出される場合があり,火山灰の連続放出と地盤変動には対応関係が見られなかった.地盤変動と地震動・空気振動の間に相関がみられないことについては,地震動・空気振動の主要な部分は爆発発生後の数秒以内の駿発的な現象であるのに対し,噴出物の放出に関係する地盤変動はそれよりも時間スケールの長い現象であることに起因するのかもしれない.2種類の指標について検討する必要がある.
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