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2009 年度 実績報告書

最近の被害地震の観測記録に基づく強震動予測レシピの検証とその改良

研究課題

研究課題/領域番号 20310106
研究機関愛知工業大学

研究代表者

入倉 孝次郎  愛知工業大学, 工学部, 教授 (10027253)

研究分担者 香川 敬生  鳥取大学, 工学研究科, 教授 (50450911)
宮腰 研  (財)地域地盤環境研究所, 地球科学研究部門・地震防災グループ, グループリーダー (80450914)
野津 厚  (独)港湾空港技術研究所, 地盤構造部, 主任研究官 (60371770)
キーワード自然災害 / 地震 / 防災 / 強震動
研究概要

(課題1,2)2004年北海道留萌支庁南部地震(Mj6.1)および2009年駿河湾地震(Mj6.5)に着目し,それらの強震動評価を行った。経験的グリーン関数(周波数:約0.1~10Hz)および理論的グリーン関数(周波数:約0.1~1Hz)による震源モデルの計算波形と観測波形は調和的であり,アスペリティ領域から広帯域の地震動が励起されることが確認できた。また,2つの地震の強震動評価から,ある特定サイトにおいて破壊伝播効果が大きく影響していることを確認した。
(課題3)染井・他(2009)は近年発生した被害地震(M6クラス)およびその余震の記録のスペクトル比を用いて応力降下量を推定しており,断層タイプ(横ずれ・逆断層)による応力降下量の明瞭な差異は確認できないと報告している。一方,佐藤(2009)はスペクトルインバージョンに基づいて短周期レベルを推定しており,その結果,断層タイプ別で短周期レベルが異なるという報告をしている。
(課題4)2008年四川地震(Mw7.9)で被害が発生した都江堰と綿竹において,5階建ての構造物の建物基礎と5階および自由地盤で同時微動観測を実施し,それぞれの伝達関数および建物の応答特性を計算した。その結果,都江堰の構造物の固有周期は4.5Hz,綿竹では3Hzとなった。都江堰の構造物は補強してあったため,綿竹の固有周期よりも高周波数となったと考えられ,補強による構造物の周期特性の変化が確認できた。
(課題5)課題1,2から得られたアスペリティ面積や応力降下量は経験的なスケーリング則と調和的であり,強震動予測レシピの有効性が確認できた。一方,課題3の短周期レベルについては断層タイプ別で異なるという報告と差異は確認できないという報告がある。強震動予測レシピに断層タイプ別の加速度レベルの違いを取り入れるべきかどうか,今後,検討を進める必要がある。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Recipe for Predicting Strong Ground Motion from Crustal Earthquake Scenarios2010

    • 著者名/発表者名
      Irikura, K, H.Miyake
    • 雑誌名

      Pure and Applied Geophysics 24(in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 経験的サイト増幅・位相特性を考慮した強震動評価手法の改良-因果性を満足する地震波の生成-2009

    • 著者名/発表者名
      野津厚・長尾毅・山田雅行
    • 雑誌名

      土木学会論文集A 65

      ページ: 808-813

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 断層モデルとの比較に基づく震源破壊進行を考慮した経験的距離減衰特性の補正について2009

    • 著者名/発表者名
      香川敬生
    • 雑誌名

      土木学会地震工学論文集 30

      ページ: 59-64

    • 査読あり
  • [学会発表] A Recipe for Microzoning Aimed to Earthquake Disaster Prevention2010

    • 著者名/発表者名
      入倉孝次郎
    • 学会等名
      The 9th International Workshop on Seismic Microzoning and Risk Reduction(9th IWSMRR)
    • 発表場所
      Cuernavaca, Mexico
    • 年月日
      20100221-20100224
  • [学会発表] 近地強震記録を用いた2009年駿河湾を震源とする地震の震源モデルの構築と強震動シミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      倉橋奨・入倉孝次郎・宮腰研
    • 学会等名
      第7回日本地震工学会
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター
    • 年月日
      20091112-20091114
  • [学会発表] 長大断層地震のための強震動予測レシピ-四川大地震の強震動記録による検証2009

    • 著者名/発表者名
      入倉孝次郎・倉橋奨
    • 学会等名
      日本地震学会2009年秋季大会
    • 発表場所
      京都大学百周年記念ホール
    • 年月日
      20091021-20091023
  • [学会発表] 2009年駿河湾を震源とする地震の震源モデルの構築と波形シミュレーション2009

    • 著者名/発表者名
      倉橋奨・入倉孝次郎・宮腰研・正木和明
    • 学会等名
      日本地震学会2009年秋季大会
    • 発表場所
      京都大学百周年記念ホール
    • 年月日
      20091021-20091023
  • [学会発表] Study on probabilistic earthquake hazard analysis applying the fault rupture model2009

    • 著者名/発表者名
      Kagawa, T.
    • 学会等名
      The 10th International Conference on Structural Safety and Reliability(10th ICOSSAR)
    • 発表場所
      Kansai Univ., Japan
    • 年月日
      20090713-20090917
  • [学会発表] Best-fit Source Model for Simulating Strong Ground Motions from the 2007 Niigata-ken Chuetsu-oki earthquake2009

    • 著者名/発表者名
      Irikura, K., K.Miyakoshi, S.Kurahashi, A.Petukhin, Y.Yamamoto, K.Kamae, H.Kawabe
    • 学会等名
      日本地球惑星連合2009年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      20090516-20090521

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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