研究課題/領域番号 |
20310109
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
汪 発武 京都大学, 防災研究所, 助教 (10324097)
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研究分担者 |
宮島 昌克 金沢大学, 理工研究域環境デザイン学系, 教授 (70143881)
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キーワード | 海底地すべり / 発生機構 / 運動機構 / パイプライン / 衝撃力 / せん断抵杭 / 過剰間隙水圧 / 模型実験 |
研究概要 |
本研究は海底地すべりの発生・運動機構の解明といった理学的な研究とパイプラインに対する破壊力の定量評価といった工学的な研究である。平成21年度の成果は以下に示す。 (a)海底地すべりの発生・運動機構に関する学理的な研究 2002年発生したイタリア・ストロンボリ火山の海底地すべりから土試料を採取し、それに対するリングせん断試験を実施した。その結果、この火山性堆積物が高い粒子破砕性を有するため、非排水状態でせん断されると、高い過剰間隙水圧が発生し、せん断抵抗が急速的に低下することによって、崩壊斜面が高速運動になり、また津波を誘起できたとの災害学理を見出した。 (b)海底地すべりによるパイプラインへの破壊力の工学的研究 直径1.9mの円筒が回転することによって、土と水の混合体は海底地すべりを再現する「海底地すべり再現実験装置」を開発した。その地すべりの運動経路にパイプラインの模型を置き、海底地すべり運動中におけるパイプラインへの衝撃力が計測される。地すべりの底面には、せん断抵抗を計測するせん断力センサー、すべり土塊による垂直応力を計測する土圧センサー、そして、発生可能な過剰間隙水圧を計測する間隙水圧計をセットした。今年度はすべてのセンサーの制作、取り付け、検定にかかり、試運転によって、装置の有効性を確認した。 (c)海底地すべりと比較するための陸上地すべりの研究 海底地すべりの運動様式と比較するために、地震による地すべりとダム貯水池の水位変動による地すべりの研究も展開し、それぞれのメカニズムの相違について、追究した。
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