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2008 年度 実績報告書

酵母をモデルとした機能性RNA探索戦略の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20310114
研究機関東京大学

研究代表者

伊藤 隆司  東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (90201326)

キーワード非コードRNA / 転写 / ノイズ
研究概要

我々は、出芽酵母の完全長cDNA解析によって、予想外に多数の非コードRNA(ncRNA)の発現を見出した(Miura et a1.PNAS2006)。本研究では、モデル生物としての酵母の特性を活用しながら、これら多数のncRNAの中から機能性分子を同定する方法論の開発を目指した。具体的には、以下の3点を行なった。
(1)酵母人工染色体と高出力タグカウント技術を用いて、異種生物ゲノム配列からの転写開始を解析し、非生物学的なノイズ性転写の基盤にある物理化学的特性の解明を試みた。具体的には、マイコプラズマゲノムを人工染色体として保持した酵母株の発現タグカウンティングを行なったところ、その転写が確認された。そのパターンは独立の株でも類似していることから、全くランダムな現象を見ているわけではないと考えられた。更に、ヌクレオソームポジションもタグシークエンスでマッピングした。人工染色体上における転写とヌクレオソームの関係を検討した。
(2)細胞の転写容量が制限された場合においても、発現が頑強に維持されるncRNAをタイリングアレイや高出力タグカウント技術を用いて同定するために、RNAポリメラーゼIIの最大サブユニットRpb1遺伝子のプロモータ置換を試み、その量が1/10近くまで下がった株を得ることが出来た。
(3)転写因子の恒常活性化に伴って発現が誘導されるncRNAを同定するために、減数分裂を制御する転写因子Ume6を活性化ドメインとのキメラ化で恒常活性化した株の発現タイリングアレイ解析を行い、何種類かの興味深い挙動のncRNAを同定した。また、同様に減数分裂期に誘導されるncRNAも何種類か同定した。これらについて、より詳細な発現解析等の性格付けを進めた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Absolute quantification of budding yeast transcriptome by means of competitive PCR between genomic and complementary DNAs.2008

    • 著者名/発表者名
      Miura, F., Kawaguchi, N., Yoshida, M., Uematsu, C., Kito, K., Sakaki, Y., Ito, T.
    • 雑誌名

      BMC Genomics 9

      ページ: 574

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unexpected complexity of the budding yeast transcriptome.2008

    • 著者名/発表者名
      Ito, T., Miura, F., Onda, M.
    • 雑誌名

      IUBMB Life 60

      ページ: 775-781

    • 査読あり
  • [学会発表] Unexpected complexity of the budding yeast transcriptome2008

    • 著者名/発表者名
      Takashi Ito
    • 学会等名
      ASBMB2008
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2008-04-06

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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