研究課題
本研究では、新規なプロテインチップを用いて生体中の翻訳後修飾されたタンパク質、特にグリコシル化及びリン酸化されたタンパク質を検出、同定する方法を確立する。また、卵巣癌、前立腺癌、良性腫瘍の組織、培養細胞、血漿中の翻訳後修飾されたタンパク質をハイスループットで検出、同定し、確立された方法が疾患に伴う翻訳後修飾の変動を効率的かつ効果的に解析できるかどうかを検証する。本年度までに、テフロン、ナイロン、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜など24種類の膜フィルターについて、電気泳動ゲルからのタンパク質を固定化できるのか、固定化されたタンパク質を、膜フィルター上でプロテアーゼ消化した後、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF MS)で効率的に同定できるのかどうかを調べた。その結果、新規なPVDF-MS膜(仮称)がブロッティングと質量分析装置の両方に使用できることを見いだした。そこで、本年度は、二次元電気泳動で分離された様々な特徴を持つ19種類の既知のタンパク質、すなわち、高分子量及び低分子量タンパク質、高等電点及び低等電点タンパク質、分子量が異なるごく微量タンパク質などをPVDF-MS膜に転写し、トリプシンで消化した後、MALDI-TOF MSを用いたペプチドマスフィンガープリンティングによって同定を試みた。その結果、二次元電気泳動で分離され、PVDF-MS膜に転写された19種類のタンパク質については、その分子量、等電点、濃度に拘わらず、うまく同定できることがわかった。
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Proteomics 9
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