研究概要 |
シアノサイクリンの生合成遺伝子のうち、3種のCNC骨格合成酵素(NRPS)遺伝子cya13,cya15,cya17を適当なベクターに組み込み、大腸菌で発現を検討したところ、遺伝子産物Cya13とCya15に関し良好な発現が確認されたが、Cya17に関してはCya15との共発現の場合のみ、可溶性の画分に回収可能な条件を見出した。 次いでシアノサイクリンに含まれる異常アミノ酸である修飾チロシンの合成法を検討し、相関移動触媒型不斉有機触媒を用いるなどして、8工程通算収率38%の効率の良い合成経路を開発した。 3種の発現したNRPSにあるAドメインの機能解析を検討し、Cya15に関してはリジンを特異的に活性化することが判明したが、後に酸化酵素Cya16の機能解析により、アルギニンが酸化されたデヒドロアルギニンが基質となることが判明したことから、デヒドロアルギニンを活性化するものと推定している。残念ながら、残る2種のNRPSのAドメインの酵素活性の検出には成功しでいない。
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