研究課題/領域番号 |
20310134
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石野 良純 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (30346837)
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研究分担者 |
跡見 晴幸 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243047)
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キーワード | DNA複製 / アーキア / 超好熱菌 / 分子メカニズム / 分子間相互作用 / 複製装置 / レプリソーム / 高次複合体 |
研究概要 |
昨年度にクローニングした、Thermococcus kodakaraensisの3種のmcm遺伝子、および2種のpcna遺伝子の産物の機能解析を進めた。また分担者により調製された、これらの遺伝子破壊株の表現形を詳細に調べた。2種のmcm遺伝子と1種のpcna遺伝子の破壊株の作製に成功した。それぞれ一種ずつの遺伝子は破壊株が得られず、生存に必須の遺伝子であることが推定された。発現させた蛋白質は高純度に精製して、in vitroにおける活性を測定した。2種のMcmはどちらもそれら自身でヘリカーゼ活性を確認した。また、PCNAは両者共にDNAポリメラーゼのDNA鎖合成活性を促進することを検出したが、活性には強さの違いやポリメラーゼに対する特異性があった。PCNA2が欠失した変異体はDNA修復異常が観察されるかと予想されたが、紫外線や変異原化学物質に対する感受性が野生株と比較して変わらなかった。また、機能・構造解析が進んでいるPyrococcus furiosus由来のタンパク質については、複合体構造解析が進み、PCNA-DNA-DNAリガーゼ複合体やPCNA-DNA-DNAポリメラーゼ複合体、さらに、ウラシルグリコシラーゼーDNA-APエンドヌクラーゼーPCNAという塩基除去修復に関わる複合体についても、それらのモデル構造を提唱し、機能と構造の関係を議論した。これらの成果を論文発表した。DNA複製開始やフォークの進行にとって重要なGINS複合体をT.kodakaraensis由来のものと、Thermoplasma aoidophilum由来のものについて比較解析した。これらのGINSはMcmヘリカーゼと相互作用をすることが分かったが、その具体的な作用が未だ不明である。T.acidohilumのGINSは一種類のタンパク質がホモ四量体として機能するGINSとして初めての例である。
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