研究課題/領域番号 |
20310135
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岩尾 正倫 長崎大学, 工学部, 教授 (00100892)
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研究分担者 |
石橋 郁人 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (10192486)
福田 勉 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教 (80295097)
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キーワード | ラメラリンN / サイクリン依存性キナーゼ / ドッキングシミュレーション / 光学分割 / HPLC / 構造活性相関 / トポイソメラーゼ1 |
研究概要 |
ラメラリンNには、5環性複素環骨格と1位芳香環との間の単結合周りの回転に由来する軸不斉が存在する。CDK2とラメラリンNとのドッキングシミュレーションの結果から、ラメラリンNの軸不斉に基づくエナンチオマーのうち、R体の方がS体よりもCDKをより強く阻害することが示唆された。 そこでまず、ラメラリンNの8位、13位、20位の水酸基を保護した誘導体を6種類合成し、光学活性カラムHPLCによる分割を試みた。その結果、6種の誘導体いずれもが25℃でのカラム分離中にラセミ化が進行し、また0℃での分割においてもラセミ化の抑制が困難であった。 以上の結果を受け、1位芳香環-1位炭素間の単結合回転によるラセミ化を抑制するため、1位アリール基のオルト位に相当する16位にメチル基を導入したラメラリンN誘導体を新たに設計し、合成した。なお本サンプルについて光学活性カラムHPLCによる光学分割を試みたところ、室温でのエナンチオマー分離が可能であり、またラセミ化の兆候は見られなかった。 今後、11位にメチル基を導入したラメラリンN誘導体を大量に合成して光学分割を行い、最終的に16-メチルラメラリンNのR体とS体を準備した後、エナンチオマー間のCDK阻害活性の差について評価するとともにトポイソメラーゼI阻害活性についても検証する。またラメラリンN誘導体の1位アリール基-1位炭素間の結合回転のエネルギー障壁について測定を実施する。
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