研究課題/領域番号 |
20310142
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
石川 芳治 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (70285245)
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研究分担者 |
梶 光一 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (70436674)
小金澤 正昭 宇都宮大学, 農学部, 教授 (90241851)
土屋 俊幸 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (50271846)
福嶋 司 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (30111420)
星野 義延 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (00143636)
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キーワード | 生息密度マップ / 季節移動 / GPS / 衛星画像 / 植生分布図 / 土壌侵食 / 林床植生 / リター被覆率 |
研究概要 |
栃木県におけるニホンジカの適切な生息密度指標を得るために、狩猟者の目視情報(狩猟者1人当たり1日当たりの目撃数)を用いて、生息密度マップの作成を行った。なお、狩猟が行われていない地域では、自然環境属性情報と目視情報を用いて、ステップワイズ減少法により変数選択を行って負の二項分布回帰モデルを作成した。その結果、日光鳥獣保護区で高密度が維持されていること、北高原山・塩原南捕獲禁止区域辺りで密度がやや高めであることなどが明らかになった。栃木県における季節移動のルートと移動パターン解明のために、日光市千手ヶ浜(栃木県設置のシカ柵)で成獣メス1頭にGPS首輪を装着し、2009年3月31日13:00〜2009年4月19日の期間の移動地点の観測を行い、合計230ポイント(2Dは17地点、3Dは213地点)を採集した。現在データの解析中である。 シカの食害による林床植生の衰退にともない激しい土壌侵食が発生している丹沢堂平における2006年〜2008年の土壌侵食観測データを用いて、林床植生被覆率+リター被覆率と土壌侵食量(雨量1mm当たり)の関係を分析した結二果、林床植生被覆率+リター被覆率と土壌侵食量は反比例の関係があることが明らかとなった。さらに、水文観測データを解析した結果、林床植生被覆率+リター被覆率が低下すると雨水の浸透率も低下する傾向が認められた。これらの結果からシカの食害による土壌侵食や森林の水源涵養機能に対する影響度を評価する指標として林床植生被覆率+リター被覆率が有効である可能性が認められた。
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