研究課題/領域番号 |
20310144
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岩崎 望 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (20193724)
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研究分担者 |
鈴木 知彦 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (60145109)
山田 正俊 放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, チームリーダー (10240037)
長谷川 浩 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (90253335)
鈴木 淳 産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (60344199)
藤田 敏彦 国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (70222263)
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キーワード | 環境調和型農林水産 / 海洋生態 / 水産学 / 持続的利用 / ワシントン条約 |
研究概要 |
1、宝石サンゴの分布及び密度を明らかにするために、平成20年8月に学術調査船淡青丸により室戸近海における深海カメラによる調査を行った。また、平成21年3月には奄美近海において無人探査機(ROV)を用いた調査を行った。調査方法を比較検討した結果、パッチ状に分布する宝石サンゴ類の分布を明らかにするためには、ROVによるライン調査が有効であることが明らかとなった。今後、奄美近海におけるサイズ組成分布を明らかにする。 2、宝石サンゴの成長速度を推定するための新しい手法として、高輝度光科学研究センターの大型放射光施設(SPring-8)でシンクロトロン赤外光による分析法を開発した。アカサンゴとシロサンゴを30μm間隔に測定し、二次元分布像を得た結果、前者では864cm-1と1142cm-1、後者では864cm-1と3379cm-1のピークの強度に周期的な高低が見られた。それらの周期は前者では162-200μm、後者では125-200μm間隔であった。これらの値は放射性鉛を用い知多年代測定による年間成長速度とほぼ一致しており、赤外吸収スペクトルの周期的な変動は年変動であると考えられ、成長速度の推定に有効であることが明らかになった。 3、日本産シロサンゴはCoralliumu属に、日本産アカサンゴはParacorallium属に属しているが、両者の形態的差異は非常に小さい。両者が同属であるか別かを明らかにするために、ミトコンドリアゲノムの全塩基配列の決定を行った。今後Coralliumu属に属するモモイロサンゴについてもミトコンドリアゲノムを解析し、形態による分類の妥当性を再検討すると共に、それらの系統関係を明らかにする。
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