研究課題/領域番号 |
20310144
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
岩崎 望 立正大学, 地球環境科学部, 教授 (20193724)
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研究分担者 |
鈴木 知彦 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (60145109)
山田 政俊 弘前大学, 被ばく医療総合研究所, 教授 (10240037)
長谷川 浩 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (90255555)
藤田 敏彦 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (70222263)
秋道 智彌 総合地球環境学研究所, 教授 (60113429)
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キーワード | 環境調和型農林水産 / 持続的利用 / ワシントン条約 / 水産学 / 海洋生態 |
研究概要 |
日本近海が主産地である宝石サンゴの資源枯渇が懸念されており、平成25年3月に開催される第16回ワシントン条約締約国会議に国際取引規制(附属書IIへの掲載)が提案されることが予想される。宝石サンゴ資源の持続的な利用を目指し、生物学的生態学的研究を行い、以下の成果を得た。 1.宝石サンゴの資源量を推定するために平成23年10月に沖縄近海で無人探査機を用いた分布密度の調査を行った。その結果、宝石サンゴの平均密度は100平方メートルあたり1.02群体であることが明らかになった。また、シロサンゴとモモイロサンゴの高密度のパッチを発見した。これらの高密度の分布海域は、資源量の推定や幼生の分散過程の推定に重要なだけでなく、将来保全する海域の候補として資源管理の上で重要であると考えられる。 2.放射光軟X線マイクロビームを用いて、モモイロサンゴとシロサンゴ骨軸の微量元素のマッピング分析を行った。その結果、それら骨軸横断面のイオウ、マグネシウム、ストロンチウム濃度に周期的な変動がみられ、その間隔は0.11-0.14mmであった。これは、放射性鉛を用いた宝石サンゴ類の成長速度0.15mmに近い値であるため、濃度の周期的な変化は成長に伴うものと考えることができる。 3.宝石サンゴポリプ内の卵及び精嚢の観察に適した保存溶液の検討、組織切片作製法及び観察方法を確立し、産卵期に関するデータを得ることができた。これにより、産卵期を休漁期間にするなどより効果的な漁業管理方法を提案することが可能となった。
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