研究課題/領域番号 |
20310145
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古田 元夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50114632)
|
研究分担者 |
山影 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10115959)
佐藤 安信 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90313981)
|
キーワード | ASEAN / CLMV(ASEAN新規加盟国) / ベトナム / 地域統合 / 大メコン圏 / 東西回廊 / 発展の三角地帯 / 日本の役割 |
研究概要 |
本研究は、この地域で急速な展開を見せている地域統合の動態にせまるため、ベトナムの東アジア研究所と協力して、研究者だけなく、政府関係者や経済人も参加するワークショップを開催することを重視している。本年度は、当初計画のとおり、8月に東京で、1月にベトナムのダナンで、ワークショップを開催した。 東京でのワークショップは「ASEAN新規加盟国の中進国ベトナムと地域統合」をテーマに8月30日に行われ、レ・ボ・リン「地域統合の中のASEAN新規加盟国と日本との関係」、白石昌也「日本における大メコン圏研究の現状と課題」、グエン・スィ・トゥアン「ベトナム・カンボジア国境地帯の持続可能な発展協力」、末廣昭「中国・東南アジア貿易の近年の動態について」、グエン・ズイ・ズン「ベトナム・ラオス・カンボジアの発展の三角地帯の発展と日本の役割」という5本の報告がなされた。9月1日にはこのワークショップのベトナムからの参加者を囲んで、長島・大野・常松法律事務所の協力により、財界・官界関係者を交えての懇談会が行われた。 ダナンでのワークショップは「日本とASEAN新規加盟国の関係および東西経済回廊の協力と発展」をテーマに1月5日に行われ、グエン・ズイ・ズン「21世紀初頭の東アジアとそのASEAN新規加盟国へのインパクト」、古田元夫「ASEAN新規加盟国の地域統合を促進する日本の役割」、グエン・スィ・トゥアン「ASEAN新規加盟国と日本の関係」、池本幸生「技トナムにおける少数民族と観光」、およびマイ・ドク・ロク、グエン・ゴクボクアン、グエン・ヴァン・タン、グエン・チ・ズン各氏によるベトナム中部各地方と東西回廊をめぐる諸問題についての報告、木村福成氏の補足報告と、計9本の報告が行われた。この後、1月6日から10日にかけてベトナムのダナンからラオスのサバナケットにかけての東西回廊を実際に自動車で走行し、ドンハ、ラオバオ、サバナケット、ダナンで地元当局者のインタビューを行う調査旅行を実施した。こうした本研究独自の企画のほか、地域統合とメコン圏開発に関する本学社会科学研究所現代中国研究拠点、アジア経済研究所、東南アジア学会の研究会等に協力をした。 これらの活動を通じ、本年度は、(1)ASEAN新規加盟国をめぐる地域統合の趨勢と直面する課題4)確認、(2)この地域統合にベトナムと日本が果たしうる役割についての日越研究者の意見交換、(3)東西回廊の実情の把握などの面で大きな成果があった。
|