研究課題/領域番号 |
20310149
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
田村 愛理 東京国際大学, 商学部, 教授 (50166584)
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研究分担者 |
川名 隆史 東京国際大学, 経済学部, 教授 (60169737)
内田 日出海 成蹊大学, 経済学部, 教授 (90223560)
泉 淳 東京国際大学, 経済学部, 准教授 (70337476)
杉浦 未樹 東京国際大学, 経済学部, 准教授 (30438783)
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キーワード | 地域研究 / 経済史 / 思想史 / 文化人類学 / 政治学 |
研究概要 |
本研究は、近代国家の周縁を単に辺境と位置づけるのではなく、境界を越えた他者と中心とを結ぶインターフェイスとして捉え、周縁の持つポジティヴな側面を歴史の中に捉え直すことを目的とする。研究は、各研究者による研究報告および外部講師による講演を中心とする毎月の定例研究会を軸に進められた。11月には、江戸期の被差別部落が担ったインターフェイス的機能に着目する「インターフェイスとしての近世部落経済」と題したシンポジウムを開催し、多数の参加者を得た。これらの定例研究会やシンポジウムの情報を外部に広めるため、研究会のホームページを立ち上げ、逐次内容を更新している。 各研究者は国外・国内の調査出張などを通じ、以下のような成果を得た。田村はチュニジアでの調査を行い、諸宗教の固有性と混成の相互作用が現れる具体的表象として祭礼儀礼および信仰シンボルの分析を進めた。川名はポーランドの調査を通じ、分割前ポーランドにおいてマイノリティであったタタール人や正教徒の持つ意義を確認した。内田はストラスブール市文書館で史料収集を行い、フランス王国の周縁にあった18世紀の同市の独自の財政構造を明らかにするための十分な論拠を得た。泉は11月に行なわれたアメリカ大統領選挙におけるイスラム教徒移民の投票行動を観察・分析した。杉浦は、オランダの仲買業者に焦点をあて、近代初期の流通システムの分析を進めると共に研究協力者の小林と近世都市の行商について比較研究を行なっている。斉藤は、北関東の砥石売買において被差別部落が担った役割についての史料収集・研究を行なった。尾崎は、ジュネーヴにおいて史料を収集し、スイス国境地域の家畜取引の研究を進めた。以上の個々の研究活動に加え、問題意識の共有と再確認を目的とし、古来より日本の周縁にあった対馬で12月に共同調査を行ない、周縁のインターフェイスのあり方について一定の共通理解を得た。
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