研究課題/領域番号 |
20310151
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
藤田 直晴 明治大学, 文学部, 教授 (80167626)
|
研究分担者 |
小畑 精和 明治大学, 政治経済学部, 教授 (30191969)
伊藤 剛 明治大学, 政治経済学部, 教授 (10308059)
虎岩 直子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50227667)
市川 宏雄 明治大学, 政治経済学部, 教授 (80298041)
輿水 肇 明治大学, 農学部, 教授 (60012019)
|
キーワード | 多文化主義 / 地域間格差 / エスニシティ / 都市 / 環境政策 / 国際競争力 / ニッチ外交 / 文化政策 |
研究概要 |
2008年度は初年度ということもあり、最初に研究全体のフレームワークの設定と、各自の3年間の目標課題を設定した。まず、割り当てられたカナダの諸都市において海外調査を行い、多文化主義政策がバンクーバー、カルガリー、トロント、モントリオールなど主要都市でいかに展開されているか、その結果として諸民族間にどのような経済的・社会的格差をもたらしているかについて調査した。 研究メンバー間の異なる専門を生かしながら、それぞれの観点から行った現地調査報告・研究報告会を合宿形式で実施した。地理学、国際政治学、文学、都市政策、環境政策といった専門分野の視点から、カナダの大都市(圏)における民族間のそれぞれの位置づけ、多文化政策への意識の違いと共通性、さらにそれらの対象都市間での違いと共通性が、ある程度明確になってきた。今年度の研究成果としては、競争力インデックスの手法を使い、世界の主要都市と対象となるカナダ主要都市の相対化を進めた。また、イギリス諸島からの移民とカナダの多文化社会について、特にアイルランド人のケースを考察した。トロントの各地区別民族構成、犯罪率、貧困率の違いとその意味に関する考察、モントリオールの特殊性とカナダ的性格に関する考察を行った。 このように、規模も位置も異なる都市間をさまざまな角度から観察する基盤が出来上がってきたと言える。次年度以降は、こうして初年度に抽出されたデータを研究の全体像に合わせた形で再構成するかがポイントとなる。と同時に、初年度にカバーし切れなかった他地域でのフィールド調査も必要となる。よって、3年目のまとめの時期を考慮しながらも、更なるデータの集積と、同時に申請時に提出したフレームワークをいっそう発展させることが、次年度の課題となる。
|