研究課題/領域番号 |
20310152
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研究機関 | 兵庫大学 |
研究代表者 |
金子 哲 兵庫大学, 経済情報学部, 准教授 (80330497)
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研究分担者 |
牧田 満知子 兵庫大学, 生涯福祉学部, 教授 (80331784)
岡本 洋之 兵庫大学, 経済情報学部, 准教授 (50351846)
湯瀬 晶文 兵庫大学, 健康科学部, 講師 (70301661)
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キーワード | 東洋史 / 日本史 / 社会学 / 宗教学 / 教育学 |
研究概要 |
【金子】金子は中世前後期に生じた価値観および社会構造の大転換に関する研究をアジア史的視座の下で進めた。2009年度は特に韓国・中国・琉球・日本の世襲シャーマンに着目して研究を行い、韓国のムーダンおよび堂(タン)、琉球のノロ・ユタおよび御嶽などの聞き取り調査およびフィールドワークを精力的に行った。東アジア圏の中で日本は中世前後期移行期に世襲シャーマンをスクレイプした点で特異である、との新たな研究成果を得た。成果は学会発表や著書(共著)として発表し、これをもとに2010年度に発表予定の諸論文・著作の準備を進めた。 【岡本】岡本は前近代日本と近代日本の価値観の断絶を中心に研究を行った。長崎を重点的に研究し、各種資料の発掘に力を注いだ。特に、キリシタンを巡る思想史的研究を切り口に、日本社会の変質とキリスト教思想を巡る東アジア的比較を行った。この視座は死生観を含む東アジア諸国文化の比較に有効であるとともに、欧米文化との比較にも極めて有効である。成果は各学会報告に結実するとともに、これをもとに2010年度発表予定の論文の準備を進めている。 【牧田・湯瀬】牧田・湯瀬は日本国内で各種アンケートを行い、日本人の死生観の調査を進め、中世前後期移行期に成立した近代に連続する死生観・宗教意識が根底から動揺している事実を確認し、アジア文化の中での位置づけを進めた。これをもとに、牧田は欧州各国・アジア各国での調査結果を加え、これからの日本人の死生観の方向性を積極的に考察した。湯瀬はアンケート結果を統計学的に処理するとともに、宗教史の方法論で考察を進め、現代日本人の死生観に関する傾向を分析し、歴史的考察および東アジアの中での比較文化的考察を行った。牧田・湯瀬の成果は各論文および学会報告に結実するとともに、これをもとに2010年度発表予定の論文の準備および韓国・中国でのアンケート準備を進めている。
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