研究課題/領域番号 |
20310157
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研究機関 | 独立行政法人国立女性教育会館 |
研究代表者 |
中野 洋恵 独立行政法人国立女性教育会館, 研究国際室, 室長・主任研究員 (60155786)
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研究分担者 |
伊藤 公雄 京都大学, 文学研究科, 教授 (00159865)
大沢 真理 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50143524)
大槻 奈巳 聖心女子大学, 文学部, 准教授 (30356133)
吉田 容子 立命館大学, 法務研究科, 教授 (30469168)
渡辺 美穂 独立行政法人国立女性教育会館, 研究国際室, 研究員 (40415352)
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キーワード | 人身取引 / ジェンダー / 買売春 / 人間の安全保障 / エンパワーメント / 教育 / 研修 / 女性 |
研究概要 |
今年度は、3年計画の2年次として、主に下記の通り調査研究をすすあた。 第一に、人身取引の防止に向けた教育・啓発について先進的に取り組んでいる諸外国を調査した。具体的には、人身取引対策を国内外の最重要政策課題に位置付けている米国、買春を罰しているスウェーデン、売買春を禁じている英国、合法化しているオランダ、ドイツ、そして日本の隣国である韓国に関する文献調査・ヒアリング調査を実施した。人身取引対策の推進体制や、教育・啓発への取り組みについての情報やプログラム、教材を収集した。 第二に、国内調査の意識調査班として、大規模関係調査データの再分析をすすめた。大学生を対象に大規模調査データと同様の質問項目で行われたアンケート結果を比較分析した。 第三に、上記意識調査の分析をもとに、福井大学において、人身取引を取り上げた大学生向けの授業、聖心女子大学において、大学生向け授業外プログラムを企画、実施した。授業受講前後の学生の意識変化を探るためのアンケート調査も実施した。 第四に、「送出地」における防止と被害回復を目指す女性のエンパワーメントの活動状況に焦点を当て、タイおよびフィリピンにおける「帰国女性」が抱える問題について、引き続き研究協力団体等を通じて、「帰国女性」が直面している問題、これまでの取り組みで達成できたこと、そして「帰国女性」のエンパワーメントというプロセスの中での課題について検討した。タイについては、分担機関である東京大学において、タイー日移住女性ネットワークを招いたセミナーを開催し、当事者女性や支援団体、フィリピンおよびタイの女性が日本人男性との間に生んだ子どもたちの生活と状況について、有効で具体的な防止策と支援策の在り方についての知見を得た。 第五に、地域における教育啓発プログラムを実施していく際の留意点を検討するために、自治体や女性関連施設が抱える課題について検討した。
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