研究概要 |
平成22年度にPTS版『サンユッタ・ニカーヤ』の全5巻の電子化テキストの校正を終わり、各巻の語彙の順列・逆順索引を作成し、そのチェックを完了した。国内外の研究協力者(言語学者)により、全巻にわたり統一的な校正を終了した。このチェック終了後に、パーリ文献協会(PTS)と相談・交渉の上、2010年の年末に本プロジェクトの目的である総語彙索引を出版した。この結果、仏陀が生涯中のある時期に何らかの機縁について述べた教え・問答や、仏陀の短い教え・問答を含む『サンユッタ・ニカーヤ』についての研究を遂行する上で、重要な第1次基礎資料を獲得できた。 又、索引作成の過程に於いて、研究協力者は『サンユッタ・ニカーヤ』に含まれている膨大な誤植訂正個所を指摘した。データの一部は参考のためPTSに送っているが、PTSでは今後の批判的校訂本作成に当たっての基礎資料として活用する予定である。また、PTSが既に出版済みの新校訂本(第1巻と5巻)に関して、その誤植については正誤表を作成し、特殊な音韻現象についての注記を付した形で集約して,当該研究推進の為に冊子にて公表した。当該新校訂本(第1巻と5巻)については、我々の集約したデータを活用することにより、一層精密な議論展開・研究推進が可能になると期待される。その冊子には、ニューラルネットワーク法を基礎にして新開発した韻律解析法を含めて編纂し、国内外研究者・研究機関に送付した。新解析法は半詩偈をパーダに効率的に分割できる。
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