研究課題/領域番号 |
20320016
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研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, 人文科学部門, 准教授 (90271600)
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研究分担者 |
大谷 栄一 佛教大学, 社会学部, 准教授 (70385962)
安藤 礼二 多摩美術大学, 美術学部, 准教授 (20445620)
岡田 正彦 天理大学, 人間学部, 教授 (00309519)
高橋 原 東京大学, 人文社会系研究科, 助教 (30451777)
守屋 友江 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30340847)
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キーワード | 新佛教 / 近代仏教 / ユニテリアン / 社会主義 / 丙午出版社 / 高輪佛教大学 / 神智学 / メディア仏教 |
研究概要 |
本年度は、新仏教の後期に焦点を当て、第70回宗教学会学術大会で「アジア/戦争/新仏教」と題するパネルを主宰した(代表、大谷栄一)。進歩的とされる新仏教運動が、帝国主義とも迎合的であったことや、『新佛教』廃刊後に高島米峰はラジオという新しいメディアによって成功したことなど、従前見落とされてきた側面に光を当てることができたと思われる。10月13日~15日に国際日本文化研究センターで開催された国際研究集会「近代と仏教」(代表:末木文美士)では、吉永、大谷が参加し、吉永は神智学と明治仏教、大谷は国柱会とダルマパーラをテーマに、それぞれ発表を行い、近代仏教について国内外の研究者たちと意見交換を行い、新仏教を含む日本の近代仏教運動を、世界的な近代化のネットワークの視点から研究する必要性を認識した。また、8月27日龍津寺(静岡市清水区)、12月10日求道会館(東京都文京区本郷)にて、近代仏教に関連する公開講演会を行い、一般に向けての情報発信を行った。3月には研究分担者や研究協力者の論文を集めて報告書を完成し、資料を附録につけてDVD版で発行した。この報告書では、新仏教の起源、海外の仏教徒との関係、政治と宗教の問題、『新佛教』の運動体の性格、丙午出版社を中心としたメディアと大学の関係、並行するもう一つの新仏教運動であった高輪仏教大学、『新佛教』から折口信夫までを含む錯綜する思想運動、井上秀天と鈴木大拙の海外経験、加藤咄堂と修養、新仏教同人のイスラーム研究、新仏教と中国近代仏教との関係など、ほとんどの論文がまったく新しい視点からの考究であった。これらの論文によって、多数の方向から光を当てることで『新佛教』の輪郭を提示することができた。
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