研究課題/領域番号 |
20320017
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大山 誠一 中部大学, 人文学部, 教授 (90410670)
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研究分担者 |
曾根 正人 就実大学, 人文科学部, 教授 (70368695)
吉田 一彦 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40230726)
増尾 伸一郎 東京成徳大学, 人文学部, 准教授 (60183943)
脊古 真哉 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 研究員 (20448707)
八重樫 直比古 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 教授 (50102984)
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キーワード | 聖徳太子 / 日本書紀 / 仏教伝来 / 天寿国繍帳 / 法隆寺 / 聖徳太子信仰 / 浄土真宗 / 仏教東漸 |
研究概要 |
1.本研究は、研究代表者と研究分担者7名の他、研究協力者7名を加えた合計15名の共同研究で、内容は多岐にわたっている。 2.研究目的の第1は、<聖徳太子>という人物像が成立した『日本書紀』の解明である。そのため、本研究参加者とその賛同者により「『日本書紀』を考える会」を組織し、本年度は、中部大学、成城大学において、3回の研究会を実施した。研究会では、『書紀』の<聖徳太子>を特集した2008年3月刊行の『アリーナ』(中部大学国際人間学研究所)第5号所載の関係論文(大部分が本研究参加者の執筆)の内容を検討し、今後の展望を議論した。発表者は、大山、八重樫、曾根、吉田、脊古、研究協力者の永田、原口、それに特別参加の野見山由佳の諸氏であった。これにより、隋書倭国伝との内容の照合、仏教伝来記事の思想的背景、天寿国繍帳など法隆寺系史料の成立の謎の解明に近づくことができた。また、長年にわたって、曾根は成唯識論の研究を、八重樫は石山寺所蔵の一切経のうちの「六度集経」の調査を実行しており、『書紀』成立過程の解明に貢献している。 3.研究目的の第2は、平安、鎌倉期における聖徳太子信仰の展開であるが、そのため「考える会」 の分科会として「聖徳太子信仰研究会」を組織して研究会を実施し、さらに約十数回の美術館、博物館、さらに愛知・岐阜・長野・静岡・富山・石川の諸県の寺院の太子絵伝の調査を行った。参加者は、吉田、脊古、研究協力者の藤井、原口の諸氏を中心とする全メンバーで、これにより、法隆寺や四天王寺における聖徳太子信仰の成立過程、浄土真宗における聖徳太子信仰の意味を深めることができた。 4.もう一つの研究目的として、仏教東漸がある。その際、インドに遡って仏教思想と伝来の意味を考える必要があるが、大山は、8月にインド、特にバラナシ、ブダガヤ、ラジギール等を訪れ、ヒンドウ文化と仏教の関わりについて考察した。
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