研究課題
1 資料集積|1960~70年代のビデオ、フィルム作品に関して引き続き文献の集積作業を行った。映像関連雑誌のうち昨年度調査できなかったものを補足的に集積し、関連記事をリスト化した。また当該分野について80年代に詳細な調査をおこなった正木基氏(目黒区美術館)所蔵の資料、および作家の宮崎豊治氏、高見澤文雄氏所蔵の資料を借り受け、コピー、スキャニングの上、リスト化した後、内容を調査した。当該分野の効率的な研究を可能にする基礎資料となることを期待し、昨年度より作成に着手している「関連資料のデータベース」の、質・量両面からの整備が進んだ。2 インタビュー|昨年度に引き続き、「現代の造形」展の主要作家を中心にインタビューをおこなった。具体的には今井祝雄氏、庄司達氏、植松奎二氏、植村義夫氏、柏原えつとむ氏、藤原和通氏、福嶋敬恭氏、宮崎豊治氏、高見澤文雄氏、榎倉康二氏遺族などと面会しインタビューを録音した。当事者の貴重な証言を記録したこのインタビューの将来的な公開は当該分野の研究に際して最重要資料となることが予想される。3 作品の保存|インタビューを通じ、高見澤文雄氏、庄司達氏、榎倉康二氏、植松奎二氏などの映像作品が作家あるいは遺族の手元に残されていることが明らかになった。状態調査の結果、早急な保存が必要との判断から、まず、高見澤氏の作品7点、榎倉氏の作品8点について修復およびデジタル化(デジタルベータカムへの変換)の作業をおこなった。また、本研究の中心的な対象作家の一人である松本正司氏が平成20年8月に急逝され、研究の一部遅延・延期を余儀なくされたが、平成22年度の延長期間中に遺族から約180本の映像資料(U-maticビデオ、8ミリ、16ミリ)の借受が進み、順次デジタル化作業を行った。
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『美術手帖』2010年2月号
ページ: 110-119
河口龍夫展 言葉・時間・生命
ページ: 8-12
『ウィリアム・ケントリッジ--歩きながら歴史を考える そしてドローイングは動き始めた……』展カタログ
ページ: 88-92
京都国立近代美術館研究論集CROSS SECTIONS
巻: Vol.27 ページ: 109-110