研究課題
本研究の目的は、英米文学および文化の研究を通じて、英米圏における「〈日本幻想〉の胚胎・生成とインパクトの諸相を総合的かつ具体的に検証する」ことにある。研究体制は、研究班A(理論系)と研究班B(歴史系)の2グループを編成し、それぞれグループ責任者を配置して、研究体制を管掌するとともに、各メンバーの個別研究に関しては研究代表者が包括する研究体制を構築した。最終年度として、(1)「共同研究報告書:〈日本幻想〉の研究-表象と反表象のダイナミックス」(2011年3月1日)を刊行、各研究者による報告書をまとめた。さらに(2)最終の合同研究会を3月27日(日)~3月29日(火)の日程で(ノートルダム女子大学)開催し、研究代表者野田による総括的な理論的整理を行うと同時に、各メンバーの個別研究に関する報告を受け、討議を進めた。基調講演に北川扶生子氏(鳥取大学)を招聘し、明治近代における言語表象の問題を提起していただき、本研究の出版に関する予備的議論も進めた。研究班A:表象/反表象生成過程における理論の検討(笹田直人)、「発見の物語」と時間旅行(野田研一)、江戸の清浄空間-予備的問題として(中村邦生)、人の移動とペリー(山里勝己)、研究班B:日本を描く英米の児童書(高田賢一)、バーナード・リーチと日本幻想(久守和子)、アングロ・ジャパニーズ様式の隆盛とキプリング(中川僚子)、京都・無隣庵の造園:逆輸入された庭園(木下卓),ヴァージニア・ウルフの〈日本幻想〉一作家ウルフの〈船出〉研究班Aでは、他文化、異文化をめぐる表象が、植民地主義的文脈の中で、反表象として当該文化によって再提示されると同時に、それが「伝統の発明」やセルフ・イメージとして結果するプロセスを検討した。研究班Bでは、主に19世紀後半以降の表象/反表象プロセスを、各自の研究課題に即して検討した。
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文化伝統としてのアイデンティティ形成-記憶の場をめぐって-(平成22年度愛媛大学法文学部人文系担当学部長裁量経費 研究報告書)
ページ: 26-30
文学研究
巻: 37号 ページ: 36-51
水声通信
巻: 33号 ページ: 116-128
巻: 33号 ページ: 199-204
ヴァージニア・ウルフ研究
巻: 第23号 ページ: 74-77
巻: 33号 ページ: 129-134
巻: 33号 ページ: 170-177
Persuasions On-Line : New Directions in Austen Studies
巻: Vol.30 No.2
ジェイン・オースティン研究
巻: 第4号 ページ: 43-67