研究課題
岡室は、サミュエル・ベケットとモダニズム、オカルティズム、テレビをめぐる文献の調査と論文執筆を行なうと同時に、ベケット作品を中心とする舞台・テレビ作品の映像や写真の収集とデジタル化を推進した。また、2009年夏に南仏で『ゴドーを待ちながら』執筆の背景を調査し、2010年春にはシドニーでベケットらの草稿のデジタル化をめぐる学会Book Logicに出席し、ベケット研究者らと討議した。シドニーではまた、2009年度に岡室が顧問に就任した国際的ベケット研究誌Journal of Beckett Studiesの編集委員長の西シドニー大学Anthony Uhlmann教授、編集委員のアントワープ大学Dirk Van Hulle准教授に、日本における研究状況について報告し、意見交換を行なった。三神は、トム・マーフィーの歴史劇『飢饉』論の英語版をマーフィーの生誕75周年を記念した論文集に発表した。マクギネスの演劇に関しては、研究対象作品をSpeaking Like Megpie(2005)に変更し、10月の国際アイルランド文学会日本支部の年次大会で報告した。8月20日~9月1日にかけて実施したダブリン出張では、トリニティ・カレッジ図書館において、火薬陰謀事件とベン・ジョンソンの仮面劇に関する資料にあたり、Speaking Like Magpieに関する論文を完成させた。八木はフランク・マクギネスの作品が設定する舞台空間における声と音響の可能性を探る第2段階として以下を行った。1)大英図書館へ出張し、マクギネス作品舞台公演の録音資料を詳細に聴き、記録した。2)マクギネス、アイルランド演劇、声、音響を扱った文献を読み進め、それを基に論文を執筆した(雑誌論文欄参照)。3)マクギネスが台本上で指示する音と録音資料に残された音との有機的な関連を探る分析を始めた。これは現在進行中である。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)
"Where Never Before" : Samuel Beckett Today/ Aujourd'hui 21(未定)
Alive in Time : The Enduring Drama of Tom Murphy : New Essays, Christopher Murray(ed), Dublin : Carysfort Press(図書)
ページ: 39-55
教養諸学研究 128(未定)
演劇博物館グローバルCOE紀要 演劇映像学 2009年第3集
ページ: 283-96