研究課題/領域番号 |
20320055
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
長崎 広子 大阪大学, 世界言語研究センター, 准教授 (70362738)
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研究分担者 |
水野 善文 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (80200020)
佐々木 あや乃 東京外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60272613)
橋本 泰元 東洋大学, 文学部, 教授 (40256764)
松村 耕光 大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (60157352)
山根 聡 大阪大学, 世界言語研究センター, 教授 (80283836)
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キーワード | ヒンディー文学 / ウルドゥー文学 / ペルシア文学 / ベンガル文学 / 韻律 / インド / イラン |
研究概要 |
本年度は二回の研究会を開催し、ペルシア韻律、ウルドゥー韻律、ヒンディー韻律、ベンガル韻律、さらに古典サンスクリットの韻律に関する研究発表と討論を行った。なお、今年度は論集の出版のための原稿執筆とインデックス作成を中心に三年間の研究成果をまとめた。本年度の研究業績に加えることはできなかったが、論集はインドの出版社から平成23年度中に出版予定である。 本論集の意義と重要性は、現代南アジアを代表するNew Indo-Arya系言語であるヒンディー、ウルドゥー、ベンガル韻律研究における世界で初めての比較研究の試みであり、音声資料も付した点で斬新な詩論書でもある点である。 研究における主要な成果は、上記三言語の韻律に土着のサンスクリット、プラークリットやアパブランシャの韻律からのリズムの継承と借用の解明、ウルドゥー韻律における外来のペルシア韻律の導入とその影響による新たな詩形の創造、さらにその波及的な影響がヒンディー韻律に及んでいる点を実証できたこと、また母音の長短の消滅したベンガル語の韻律はこれまで研究対象とはされてこなかったが、初めて具体的な全体像を示すことができた点である。文献学的な考察の一方で、音楽として歌われた場合の韻文が、詩人たちの用いた韻律のリズムからどのように音楽的な解釈で変容するかという問題を、イラン音楽の場合とヒンディーの宗教歌謡の場合で音楽学の研究者が考察した。また、それぞれの韻律の原則を音声サンプルつきのデジタル詩論書としてこれまで成果公開用のHPで公開していたが、それにさらに解説を加えたDVDを作成し、論集に添付することで、マニュアル本としての使いやすさにも配慮した。 その他の成果公開としては、研究成果公開用のHPで、それぞれの言語のデジタル詩論書に修正を加えてアップグレードした。
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