研究課題/領域番号 |
20320056
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
土屋 勝彦 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (90135278)
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研究分担者 |
田中 敬子 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (70197440)
沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40180690)
西 成彦 立命館大学, 大学院・先端総合学術研究科, 教授 (40172621)
管 啓次郎 明治大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00328965)
谷口 幸代 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (50326162)
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キーワード | 越境文学 / 亡命文学 / 移民文学 / クレオール / ハイブリディティ / 世界文学 / ボーダーランド / マイナー文学 |
研究概要 |
本研究は、クレオール的な混成と融合によって独自の文学様式を生み出してきた各国の移民文学や亡命文学を中心として、その融合的ないしは相互反響する表現形式の特質とその現代的意義を解明することを目的とする。すなわち、混成的なエクリチュールの特質の考察、そうした表現形式を生み出した時代背景と文化社会的意味の解明、その将来的方向と現代文学における可能性の究明、「移民文学」の新たな意義と定義付けの試行、ポストコロニアルな文学現象に関する文学理論の再構築という5つの課題の解明である。今年度も各研究分担者は精力的に当該テーマについて研究を継続した。まず土屋はウィーンとベルリンの越境作家たちに面談し混成的表現形式の特質について知見を深め、同行した谷口は、多和田葉子氏に面談し、高校国語科の教材となった多和田作品の分析、多和田作品における人称の考察、多和田作品における鳥の表象分析を行った。田中と沼野もアメリカ合衆国とロシアにそれぞれ研究出張し、研究者たちと意見交換を行い文献調査した。管もパリへの出張においてグリッサン研究の資料収集と意見交換を行った。山本は、メキシコとアメリカ合衆国間の国境における社会的・文化的問題について、メキシコ・シティの国立図書館等において資料・文献収集を行った。12月のシンポジウムでは全員が集まり、リービ英雄氏と毛丹青氏を招いて現代中国語文学と日本語文学における越境性について共同討議し、冊子にまとめた。最後に研究成果の総括として、『反響する文学』を風媒社から刊行した。
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