研究概要 |
研究代表者の梶茂樹は、ウガンダ西部のニョロ語について、作成中の語彙集と動詞変化表の見直しを行った。その結果、語彙項目と声調の関係、そして動詞変化形と声調の関係をより厳密に考察可能となった。 研究協力者の米田信子は、ヘレロ語の名詞の声調パターンの補完調査を行い,論文執筆の準備を進めた。またヘレロ語のテンス・アスペクト・ムード体系と各活用形における声調パターンに関するデータを収集し,論文にまとめた。 古閑恭子は、ガーナセントラル州で現地調査を行い、アカン語ファンテ方言の基礎語彙を約2000語収集した。これまで収集してきたアサンテ方言のデータと合わせて語彙・文法データのチェックを進めた。 研究協力者の塩田勝彦は、ナイジェリア東北部に話されるブラ語の動詞構造のテンス・アスペクト・ムードにおける声調の現れを中心に、これまでの現地調査によって得られたデータの分析を進め、ハウサ語等の近縁で、しかも比較的研究の進んでいる言語との比較研究を行った。 研究協力者の神谷俊郎は、2010年度は現地調査は行わず、南アフリカのバンツー言語の名詞声調について、既に蒐集したバツァ語のデータから、英語/アフリカーンス語からの借用語における声調パターンの単純化について分析したものを提出した。また南アフリカ共和国における言語事情について、言語使用の拡大/縮小の二極化について考察したものを、論文および口頭にて発表した。
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