研究概要 |
本研究の目的は、日本語の文理解における名詞句と動詞の統合過程を心理言語学の観点から考察することである。特に、脳波の一種である事象関連電位(Event-Related Potentials,ERP)を指標として、脳内での時空間特性を検討することによって、文理解に関する理論的・実証的研究を行う。 本研究は全研究期間を通じて、最終的な研究全体の統括を「坂本」が行う。実際の実験においては、3名の研究協力者とともに研究を進めて行く。実験計画全体を「荒生」が担当し、脳波計測に関わる部分を「諏訪園」が受け持ち、実験実施は「安永」が担当する。この4名は、今年度、メールのやり取りを通じて、研究方針について討論を重ねた。 平成20年度は、脳波を用いた言語実験のために必要な機器・設備の購入・設置を済ませた。また、今後の様々な言語実験のために、汎用性を持たせたソフトの開発を業者に委託し、見積もりを取った。こうした準備が整ったので、平成21年度からは、実験データの収集を行うことが可能となった。今後は、実験刺激となる「実験文」の作成に取り掛かる。まずは、対応する他動詞を持つ非対格自動詞を用いた実験文を作成して実験を行う予定である。
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