大西(研究代表者)、千田(研究分担者)、稲垣和也(連携研究者)は、4月から7月にかけて、前年度得たデータの整理分析を続けながら、8月のブーゲンヴィルおよびシンブーでの現地調査に向けて、寺村(連携研究者)や研究協力者との間で調査計画の詳細の検討を行った。 大西は、7月30日から1週間、オーストラリア在住の新たな研究協力者Elsie Makino(ナーシオイ語コンガラ方言話者)との語彙調査を行なった。その後、ポートモレスビーにて、オーストラリア在の研究協力者Therese Minitong Kemelfieldと稲垣と合流。三名で8月10日にブカ島に行き、ブーゲンヴィル南部の情勢に関する情報を収集。 そのあと、全員でブーゲンヴィル南部に向かう。千田が8月17日に合流。大西はアラワ在住のWilliam Takakuの協力を得て、その周辺の人々からナーシオイ語データを収集。また、今後の共同研究の打ち合わせを行なう。他の3名もそれぞれフィールドに入り、稲垣はナゴヴィシ・シベ語、Kemelfieldはモトゥナ語、千田はエイヴォ語の調査を行なった。 帰途、ブカ島にてナーシオイ語研究者のConrad Hurdに会い、彼の辞書の編集/作成に協力することを決める。(その辞書原稿を、稲垣が帰国後データベース化した。)ポートモレスビーでは、稲垣はナゴヴィシ・シベ語、大西とKemelfieldはバイツィ語話者との間で調査を行なった。千田は8月27日から東シンブー諸語の現地調査に入り、9月19日まで調査を継続した。 帰国後すぐ、大西・千田・稲垣・寺村の四者で現地調査報告を行い、収集した言語データの整理分析をはじめた。寺村は、GPSの情報を集約し、言語地図の作成を進めた。 稲垣が9月、千田が12月、大西が1月の「記述言語研究会」で、その成果を報告、稲垣と大西はその成果を『地球研記述論集』にまとめた。 なお、千田は、22年2-3月に、シンブーにて、1ヶ月間の補足調査を行なった。 (なお、千田の調査は、一部、「若手研究」の科研費によっている。)
|