大西(研究代表者)、千田(研究分担者)、稲垣(連携研究者)、寺村(連携研究者)の4名は、4月から7月にかけて、前年度のデータ整理を行ういっぽう、8-9月の南ブーゲンヴィル/シンブーにおける調査計画を検討した。 大西は、8月25日から9月8日にかけて、アラワ(ブーゲンヴィル)およびポートモレスビーにおける実地調査で、ナーシオイ語とバイツィ語のデータを収集。また、稲垣は、8月23日から9月1日にかけ、ポートモレスビーでナゴヴィシ語のデータを収集したあと、寺村と合流し、9月3日から9月12日にかけ、南ブーゲンヴィルでナゴヴィシ語地域の詳細な地理情報を収集した。 大西は、この実地調査の直後、インドで開催された国際学会Chotro 3に参加し、ブーゲンヴィルの言語状況について発表、世界の少数言語研究者たちと情報交換を行った。ナーシオイ語のテキストデータの分析結果は、『地球研記述論集』に発表した。一方、稲垣・寺村は、得られた地理情報をもとにナゴヴィシ語の詳細な方言分布地図を作成、記述研で口頭発表の後『地球研記述論集』に論文として発表した。 千田は、4月と5月に記述研で、また7月には国立国語研で発表を行い、これまでに得られた東シンブー諸語の比較データを整理した後、8月30日から9月21日にかけて、情報が不足していたグミネ地区、シネシネ地区で、集中的にデータ収集を行い、『地球研記述論集』に、サブグルーピングに関する成果を発表。なお、千田は、さらに3月3日から14日にかけても、同地域で補足調査を行った。(なおこれらの実地調査の一部は、「若手研究」の科研費によっている。)
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