研究課題/領域番号 |
20320066
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
狩俣 繁久 琉球大学, 法文学部, 教授 (50224712)
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研究分担者 |
金田 章宏 国立大学法人千葉大学, 国際教育センター, 教授 (70214476)
仲原 穣 琉球大学, 法文学部, 非常勤講師 (60536689)
仲間 恵子 琉球大学, 法文学部, 非常勤講師 (00412859)
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キーワード | 八重山方言 / 文法 / 石垣方言 / 西表祖納方言 / 格=とりたて / 係りむすび / 動詞 |
研究概要 |
最終年度の本年度は、12月11日の沖縄言語研究センター(代表・上村幸雄琉球大学名誉教授)の研究会で狩俣繁久が「石垣島四箇方言の動詞のテンス・アスペクト・ムード体系」を、金田章宏が「沖縄西表島(祖納)方言動詞の自他のタイプ」を、仲間恵子が「八重山石垣市真栄里方言の動詞」を、下地賀代子が「多良間島方言の主題表現」を発表し沖縄在住の研究者を交えた討議を行ない、成果取りまとめと論文投稿の準備を行なった。 動詞の活用体系(西表祖納、石垣市真栄里)の調査・研究では西表祖納方言は激しい音韻変化の結果、動詞の活用型や活用体系が他の八重山方言のそれに比べて複雑になっていることを確認した。動詞アスペクト・テンス体系(多良間島、石垣市石垣)の調査・研究では、石垣方言と多良間方言に共通に直前過去形があるが、石垣方言では終了限界達成をあらわす形式であることを確認した。石垣市石垣、宮古島市平良、沖縄島那覇、沖縄島今帰仁の各方言の係助辞についての記述と比較研究を行ない、八重山方言には宮古方言や沖縄方言に見られる焦点化助辞ga、nu、kuseがないこと、琉球方言の係助辞とされてきたdu、ga、kuse、nuに焦点化の機能はあるが、文末の述語を支配する係りの機能をもたないことなどについて確認した。本研究計画全体で八重山方言の名詞の格=とりたての体系が確認できた。ヴォイス研究の基礎的な資料を収集して検討して、動詞の自他の派生が使役動詞の派生と使役構文に重要な要素となることが碓認できた。
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