研究課題
第一に、新義真言宗智山派総本山智積院の聖教を対象とした悉皆調査とデータ公開、また、その成果を踏まえた諸宗交流の実態解明の為に聖教データベース・血脈データベースを構築を目指している。また、関連する他の智山派寺院やの聖教についても調査を行ない、智積院聖教の形成の問題についても考察を行なった。申請時に50函4200点の聖教の存在を確認しており、本年度は18函(全体の1/3)の書誌データ調書の作成を完了した。また、所在確認としては申請時より更に10函1000点程度の新資料の発見が得られた。内容的には、日本に唯一とされる『管見抄』(従来、国立公文書館内閣文庫本のみとされている)に、智積院本の存在を確認するなど、従来とは系統の異なる新資料が多く確認されて来た。その他、訓点資料類にも、日本語史研究に有用なものが多く見出され、20年度の成果を踏まえ、論考等の形で次年度以降に公開できる体制が整ってきた。また、特筆すべき事は、従来はその存在自体が明確でなかった中世智積院の成立に関する史料や根来寺関係史料が見出され、中世史研究への寄与が期待される。第二に、日本のみならず、国際的にも関心が高まりつつある海外流出聖教の解明にまで寄与するユビキタス環境(いつ、どこでも聖教情報を入手可能な環境)の整備の方策を検討している。その基礎資料として、従来未公開の『諸嗣宗脈紀』の智積院本の公開を行なうなどの成果が得られた。これらを踏まえ、次年度以降にデータベース構築に向けた試みを推進していく。
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