研究課題
第一に、新義真言宗智山派総本山智積院の聖教を対象とした悉皆調査とデータ公開、また、その成果を踏まえた諸宗交流の実態解明の為にデータベースの構築を目指している。また、関連する他の智山派寺院やの聖教についても調査を行ない、智積院聖教の形成の問題についても考察を行なった。申請時に50函4200点の聖教の存在を確認しており、本年度は27函(全体の1/2)の書誌データ調書の作成を完了した。また、所在確認としては申請時より更に86函1000点程度の新資料の発見が得られた。そのため、新たに追加された資料の整理をも行なった。そのため、当初の予定よりは、進度が遅くなっているが、質的作業は向上し、また、調査進行自体は昨年度よりも早い。内容的には、新文庫の実態がおおよそながら見えてきたため、新義真言宗智山派の学会において22年5月に記念講演を行なうことが決まるなど、所蔵先である智積院との良好な関係と今後の智山派聖教調査の拡大に向けての足掛かりが出来つつあることが大きな成果と言える。その他、訓点資料類にも、日本語史研究に有用なものが多く見出され、20・21年度の成果を踏まえ、論考等の形で次年度以降に公開できる体制が整ってきた。また、中世真言僧侶の活動として、丹波一宮である籠神社の聖教に関する調査を行なうこともかない、国宝『海部氏系図』等の貴重な聖教を調査し、中間報告書として、影印・論考を含めて公開できたことも大きな成果と言える。ユビキタス環境の整備については、22年5月に情報知識学会での成果報告も予定されており、調査とシステムの構築という2本の柱は順調と言える。但し、新発見や新たな知見が数多く見出されてきたため、今後の展開を含め、研究の継続に関する方策を考えることも必要となる。
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