研究概要 |
(1)本研究は、語の認知処理に関わる心内・脳内メカニズムの実証的な解明と、それに基づく文法理論への貢献を第一の目的とする。具体的には、使役述語等の複雑述語とその項関係の認知処理に焦点をあて、語の産出や理解にどのような心内・脳内メカニズムが関与しているのかを,事象関連電位(ERP)計測の手法を用いた実験を行うことによって明らかにする。 (2)本研究の第二の目的として,日本語処理に関するERPの基礎データ蓄積をめざす。日本における言語処理のERP研究は欧米に比して遅れており,日本語を対象とする基本的なデータの蓄積が急務である。具体的には,複文構造の処理に関わる違反や,屈折の違反などについてどのようなERP成分が誘発されるかを実験によって明らかにする。
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