研究分担者 |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (10211393)
和泉 絵美 独立行政法人情報通信研究機構, 言語基盤グループ, 研究員 (80450691)
長沼 君主 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (20365836)
工藤 洋路 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (60509173)
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研究概要 |
本研究は,英語学習者データを大量に収集電子化した「英語学習者コーパス」をもとに,学習者の語彙・文法エラーに関する情報をコーパスから系統的に抽出し,それらの学習レベル別の特徴分析を行い,分析結果をもとに言語テストを作成する方法論を確立,かつテストの試作品を作成・検証することを目的とする。 平成22年度には、根岸・投野・長沼・工藤がCambridge ESOLと連携して推進しているEnglish Profile Programmeの成果をもとに、phrasal verbの習得度を測定するテストを開発し、その結果を基にCEFRレベル判定を精密化し、さらなる改良の方向性を模索した。さらに、本プロジェクトで開発したphrasal verb testの結果から明らかになった日本人英語学習者のphrasal verbの習得順序と英語検定教科書における出現頻度との関係を分析した。 誤りデータベースの自動作成のための枠組みの開発に関しては、一昨年度からの継続作業として、日本語を母語とする英語学習者による英作文データベース内の誤りに対する標識付与を効率的に行うプログラムを構築している。投野は学習者文と訂正文の差分を編集距離(edit distance)を用いて抽出し、それに表層形エラータグを自動付与することを試みた。和泉は同じ一対の学習者文と訂正文の対応付けデータにRASPという構文解析ツールで構文付与した物を自動解析するプログラムを開発している。これらのプロトタイプの評価を行い、最終年度にその結果を集約する予定。 平成22年度は、これらの分析結果を反映したプロトタイプのテストを試作するに当たり、どのような言語特性が言語能力の弁別力が高いかを見るために、English Profile programmeのために収集した作文データを分析した。この分析に当たっては、各作文データにおける言語特性の出現をチェック・リストに記録しており、これをテスト項目への反応として扱い、入力を終えた。本年度は、これらのデータの項目分析から明らかになる弁別力の高い項目を入れ込んだ新しいかたちの英語の習得段階を見るテストを開発することになる。
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