航空英語の交信速度が速いということを突き止めたが、どのように速いのかを比較検討する必要がある。しかし会話速度を分析した研究はあまり見られないために、比較対象とするものが存在しない。そこで、映画やニュースなどの発話速度を計測し航空英語と比較するためのデータを集めた。このデータの分析結果は論文として発表している。次にこのデータと航空英語との比較を行うわけであるが、その前に速度があがると聞き取りにどのような影響がでるかを調査する必要があり、本年度はこのデータ収集に時間を費やした。現在、このデータを分析中である。この成果は論文として来年度に発表する予定である。 航空機事故など想定外の事態がおきた場合のシナリオを60本作成した。これはリスニングおよびスピーキング訓練の素材になる予定である。現在、シミュレーション用の音声作成を検討している。また、スピーキング・トレーニングの一部として写真描写を行うシステムをほぼ完成させている。これは提示された写真を見ながら次々に描写を行い、英語をアウトプットしていくトレーニングであるが、このトレーニングは必ずしも航空に特化した素材である必要はなく、一般的な素材を数多く取り入れた。 航空英語という速い速度のリスニング力を上げるメッソッドの開発に苦心している。当初考えていたシャドーイングや音読のようなものでは根本的な解決に至らないであろう。徹底した発音矯正がシャドーイングや音読と同時に必要であり、これをどうメソッドに取り入れていくのかを検討中である。
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