研究課題
本研究の目的は、学習英文法の内容を根本的に見直し、科学的根拠を与えることにある。その目的の達成のために、第一に、好ましくない有害な英語教育の内容を洗い出すこと、第二に、いまの英語の実態を反映していない中学校や高等学校の学習内容、受験参考書や英和辞典の内容を、科学的な実態調査をもとに修正を求めるための研究活動を行う。4年間の具体的研究活動として、次の3つの目標を立てた。(1)学習文法を形成する多様な教材の中身を点検し、問題点を洗い出すこと。(2)phraseologyの研究を進め、現代英語の実態を明らかにすること。(3) (1)(2)の成果をもとにした新たな学習英文法書の枠組みを公開すること。これまで3年間にほぼいずれの点でも成果をいろいろな形で公表してきた。また、基本的な問題意識と研究の推進方法に変化はないが、根本的な点で「学習文法の見直し」というよりは、「英語学習内容全体の見直し」の方向に移行してきた。それほど根本的に内容を見直す必要があることがわかってきたのは、phraseologyの研究によるものである。また、phraseologyの研究とヨーロッパの言語に関する「参照枠」(Common European Framework of Reference)との深い関わりがわかってきたからである。この観点から日本英語コミュニケーション学会で八木が司会兼講師、井上が講師として、シンポジウムを行った。本年度は、上記の目的を掲げ、積極的に研究を推進し、成果発表を行った。とりわけ、八木の2冊の著書『英語の疑問 新解決法』(三省堂)、『英語教育に役立つ英語の基礎知識Q&A』(開拓社)は、これまで研究してきたことの集大成である。また、井上はphraseologyの立場から新たな英語の実態を明らかにする研究に取り組み、国際現代英語学会(ドイツ)、アジア辞書学会などの国際学会で成果発表した。また、日本英語コミュニケーション学会の学会誌に掲載されたit looks that...の構造を論じた論文に学会賞(奨励賞)が授与された。
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Phraseology and Discourse : Cross-Linguistic Corpus-Based Approach
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